最近読んだ本から

「トーキョー・ストレンジャー

トーキョー・ストレンジャー

トーキョー・ストレンジャー

東京の名所案内とそれにまつわるちょい哲学的な話題を集めたphoto & essay集。東京に対するあこがれと地方出身者特有のコンプレックスからくる葛藤(私も地方出身者なので何となく共感)を織り交ぜながらの文章で、以前読んだベストセラーになった新書同様読みやすい。
印象深かったのは”大学”、”教養”に関するくだり。
「どんなにお金を儲けても、それをどう使えば幸せになれるか、経済学ではわかりません。クローンや万能細胞など、すばらしい科学的成果を得ても、それをどう使ったら人類にとって幸福なのか、医学それ自体は教えてくれないのです。そもそも生きる目的や目指す社会が何なのかわからなければ、豊かな社会は築けません。だから広い意味での教養、人文学のしっかりとした土台が必要なのです。たとえ正解にたどりつけなくても、意味や目的について考える思考回路を学ぶことは非常に重要です。そしてそれこそが、知の共同体であるユニバーシティの本来の役目ではないかと思っています」

「ブルータワー」

ブルータワー (文春文庫)

ブルータワー (文春文庫)

石田衣良SF小説。やや、話が出来過ぎな気はするが、「仁」の逆バージョンという感じで楽しめる。自分の先祖、自分の子孫に会う話はドラえもんから始まって老若男女問わずドキドキするネタだ。

「医の未来」

医の未来 (岩波新書)

医の未来 (岩波新書)

医療と社会に関するレビュー集。大御所が書かれた論文集でどれも読みごたえあり。いろいろな問題点を整理する入門書として良い。