#ブックカバーチャレンジ Day 7
渡辺氏は数少ない実際にお目にかかったことのある作家です。講演を拝聴したことがあります。大柄でゆっくりしんみり喋るのがカッコ良かったなあ。大学生の頃、「白夜」を新刊で読み、初期から中期の作品をよく読みました。
本書は言わずと知れたエロスの極致の作品。最後は死体検案調書の形で終わっているのが、医師出身作家ならでは、を感じさせてくれます。
発刊時に読んだ頃より今の方が主人公に近い年齢となり、より切なさと趣きを感じます、と言うとただの助平ジジイか。ただ、渡辺氏のその後の作品も読むと、壮年期から老年期にかけての性愛を書き切った偉大な作家といえるのではないかと思います。
そういえば、これを読むと、食べたことはありませんが、鴨とクレソンの鍋というものを食べたくなります。