当院で配布されるインフルエンザ最新情報に興味深い記事があった。感染症学も奥深いものだと感じる。

【インフルエンザウイルスの政権交代

歴史的に、新型インフルエンザウイルスが出現すると、それまでの季節性ウイルスは消滅する現象がみられています。

1918年 スペイン型の出現
1957年 アジア型の出現、スペイン型の消滅
1968年 香港型の出現、アジア型の消滅
1977年 ソ連型の出現*

さらに、今年出現した新型H1N1と季節性香港(またはソ連)型の両方に感染したフェレットからは、
新型H1N1のみが他のフェレットに伝播したという実験結果もあります。

これらのことから、今年は新型H1N1が優勢となり、
近年流行を繰り返していた季節性の香港型、ソ連型が消滅する可能性が指摘されています。

ソ連型は1957年まで存在したスペイン型と遺伝学的によく似ていたため、
1977年の出現当時は多くの人が免疫をもっており、大流行しませんでした。
このため、例外的に香港型と共に生き延びることになったと考えられています。


もうひとつ、私の母校からうれしいニュース。最初は新幹線のぞみ号のテロップニュースで知った。
「少量の血液から遺伝子群の変化を調べ、従来より極めて高い確率で消化器がんを診断できる方法を、金沢大の金子周一教授(消化器内科)らのグループが開発、19日に発表した。血液を用いた従来の方法ではがんを検出する確率は20%程度だが、9割にまで上げることができ、人間ドックや健康診断に導入すれば早期発見につながる。同大学は既に特許を出願しており、来年には検診に応用したいとしている。」
Congratulations! 金子先生、是非実用化させてください。