終戦記念日

8月15日はお盆、そして終戦記念日である。
以前読んだ「日本のいちばん長い日」をふと手に取ってみる。日本の歴史の歯車が確実に大きく回った一日といえるだろう。
ポツダム宣言を受諾し、戦争に幕を引くということが、大変な政治決断であったということがわかる。遅くなっていれば、ソ連が北海道に侵攻し、日本が南北に分断されていたかもしれない。一方で、もっと早くその決断が行われていれば失われずにすんだ命もあっただろうに、と思うこともある。
いずれにせよ、この決断により、日本はアメリカの傘下に入り平和が訪れ、戦後の繁栄が始まったといえるだろう。
しかし、かつて三島由紀夫が憂いたように、この日を境に日本人のアイデンティティが失われ、政治的にはいまだにその状況から脱却できていない気がする。オリンピックとワールドカップの時だけ日の丸が肯定されるといった愛国心も平和でよい、といってよいのだろうか。

日本のいちばん長い日 決定版 (文春文庫)

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