Translational Research

Translational Researchのシンポジウムを聴く。
臨床の発展のスピードと基礎研究のスピードの違い、主に教育面の話が印象に残った。かって大学病院では皆が臨床研究医を目指していた時代があった。多くの医師は大学院に入り、医学博士を取得していた。その頃は今ほど大した実験ではなかったが、比較的、臨床と研究の距離が近かったように思う。臨床自体の仕事量が増え、忙しくなってきたことと、基礎研究もより精密になりお金がかかるようになってきたことが、その間を広げてしまったのか。さらに例の新臨床研修制度がマンパワーの面で追い打ちをかけたのであろう。
これからの医学系大学院は、医師のみならず、薬剤師、看護師、さらに理学系研究者に門戸をひろげ、臨床と基礎の情報を共有する場にしていく必要性があるのだと感じた。
その中で、我々、臨床前線病院は、質の高い標準医療とさらにプラスアルファを目指す臨床試験(Phase I, II)を提供していくことが使命なのでは、と思った。
なかなか、考えさせられる話題であるが、明るい未来の話題である。