A letter of recommendation

 私の部下のために、とある推薦状を書いた。英語で、である。英語はさておき、その人のために心のこもった推薦状を書くことはなかなか難しい。私自身も様々な場面でいろんな方々に推薦状を書いていただいた経験がある。どれも大変ありがたく、役に立ったおかげで今日の私がある訳だが、とりわけ、現在の職に就くにあたって、ある高名な先生に書いていただいた推薦状のことが忘れられない。それまでは、私があらかたの推薦文の下書きをして書いていただくことが多かったのだが、その先生はまず私の履歴書と業績集を送りなさい、と言われた。それから、間もなくして、書いたからcheckしてくれとおっしゃられ、待ち合わせの場所に向かった。A4紙に手書きでびっしりと書かれた推薦文を渡された時、胸が熱くなった。私の履歴、業績を賛辞の言葉とともにわかりやすく紹介し、性格、資質に沿って現職にふさわしい人材であることを説明し、推薦してあった。事実関係を確認し若干の手直しをされ、それを私がWord文書にして、サインをいただいて提出した次第である。
 この経験を通して、私が推薦状を書く際には、その人のために自分の言葉で心をこめて書こうと心に誓った。そのことが、その先生のご恩に報いることになると考えたからである。