The Book Of Illusions

 ポール・オースター「幻影の書」を読了。年末から読み始めて、読みかけになっていたもの。
 オースターの最高傑作の呼び声高い本書。大変楽しませていただきました。ヘクター・マンはフィクションだが、シャトーブリアンは実在など、時間空間が何層にも重なったストーリー。実際の映画を見ているかのような細かな描写。などなど、本当に読みごたえのある作品でした。
 主人公が孤独にどっぷりと漬かっていく展開、真っ逆さまに恋に落ちていく展開、このストーリーの世界の中にたっぷりとハマらせてくれました。最近読んだ小説の中では、バツグン、秀逸です。
 前にアメリカの悪口をさんざん書いたけど、こんな小説の舞台がある国にはやっぱりあこがれてしまいます。でもこれはかつてのアメリカなのかな。

幻影の書

幻影の書